Club GERONIMO Challenge 2018 佐渡組 参戦記(Aタイプ片岡選手)

佐渡参戦記

去年の3月頃とある練習会で、佐渡Aは死ぬまでに一度は完走したいですねと大塚さんに話したことがありました。それに対して大塚さんに今年は無理でも来年なら間に合うのではと言われたことが私の佐渡Aチャレンジのきっかけとなりました。

その頃の体重は40キロのダイエットからリバウンドし100キロくらいありました。先ずは糖質制限をして、願掛けの為に三度の飯より好きなラーメンを断ちました。 体重を90キロにしてセントレアを完走し、85キロにしてClub GERONIMO として参加した佐渡Bを完走しました。タイムリミットの21時30分に上がった花火は安室奈美恵のHEROにシンクロし感動的でした。でもその花火はAタイプの完走者を祝福しているように感じられ、来年のAタイプ完走への気持ちが強くなりました。

佐渡のレース翌日、Clubの皆んなと地元で人気の長三郎鮨でお昼ごはんを食べました。そのお店は元々ラーメン屋さんで2代目のご主人が東京で修行してお鮨も出すようになったという変わったお店で、鮨とラーメンのセットが名物です。ラーメン断ちしている私は美味しそうに食べる仲間を横目に見ながら、来年Aタイプを完走してここで最初のラーメンを食べると心に誓いました。

Team GERONIMOが発足し、12月に大塚さんからジョグノートでメンバーのトレーニング量を共有する提案がありました。それまで漠然としていたトレーニング量を記録するようになり自分の練習不足が露呈します。 私は大塚さんに言われた1ヶ月のトレーニングノルマのswim20km bike500km run200km を5ヶ月間守り体重を82キロくらいにして、ロング初挑戦の宮古島トライアスロンを完走しました。

嬉しかったのですが、まだ佐渡Aを完走できるとは思えませんでした。何故なら宮古を完走できても佐渡Aをリタイアする人を何人も知っていて、佐渡Aの過酷さを知っていたからです。 佐渡Aを攻略するには190キロに及ぶバイクを制することに尽きると考えバイクに重きを置いた練習を重ねました。

インドアバイクの練習会は出来るだけ参加し、実走を想定しながら一定の高回転で回すように心掛けました。逆に実走の際にはインドアバイクを想定し頭の中で音楽をかけながら一定の高回転で回すようにしました。また、時間を有効に使うためにヤビツ峠や箱根のような峠道をタイムを計りながら心拍MAXで全力で漕ぎ、その後に10キロ以上走るという練習を重ねました。一人ではできない練習もチームメイトと一緒に行うとできちゃいます。この練習が後に効いてきます。

とうとうレース前々日に佐渡入りします。体重は宮古の時と同じくらいです。夏風邪を引き、抗生剤やら咳止めを飲みながら今一つテンション低めでした。レース会場で選手登録し、皆んなでお昼ごはんを食べに行った際に事件が起きました。会場近くのねこちゃんラーメンに入ったのです。ラーメン断ちしている私はメニューにあったカレーを頼みました。ところがご飯が無く、カレーは出せないと断られてしまいました。仕方なく一人他の店で食事しましたが、ラーメン断ちをしていることを明かしました。長三郎鮨で初めて明かそうと思っていたので痛恨です。

そしてレース当日。長い一日の始まりです。

午前6時スタート。スイム1周2キロを終えガーミンを確認すると52分。2周を終えて時間を見ると1時間56分。遅過ぎる…。遅過ぎてBタイプエイジスタートの松田丈志と同時にスイムアップ。これは内緒だなと思いつつトランジットに向かうと応援のためだけに来てくれたチームメイトの声援が。思わずすみませんと呟きました。後で調べたら、2周目は2.4キロ泳いでいることが判明。途中レスキューにも注意をうけるほど流され大回りしました。

気を取り直してバイクスタート。Z坂や大野亀を難なく超え、鷲崎から住吉は追い風にも助けられてクルクル回せました。ほぼ想定していたタイムでレースは進み、バイクあと55キロくらいの地点で事件は起こりました。 Di2が動かなくなったのです。バイクを降りバッテリーを入り切りしたり手動で変速できるかチャレンジしましたが上手く行かず、時間がもったいないのでフロントがインナーでリアがトップというかなり重い状態で再びスタート。WSを通過して重いギアのまま10キロ進みました。このギアのまま小木坂は登れない。このままメカニックに会えなかったら…リタイアの文字が頭に浮かびました。精一杯のことはやろうと心に誓いながら進み、次のASで、メカニックのいるエイドはどこですかーと叫びました。すると声をかけた人がメカニックで、ここです!どうしました?と。私はDi2が動かなくなっちゃいました!と言うともう一人と二人でパソコンを使って手際よく応急処置をしてくれました。何という幸運。DHバーに取り付けたハイドレーションに入れたドロドロの補給食がジャンクションにかかったことが原因とのこと。作業時間は15分くらいで、メカトラにかかったタイムロスは全部で20分くらいで済みました。まだ充分にゴールできると確信し、ありがとうございますとメカニックさんに30回程伝えて再びスタート。

小木坂で応援の皆さんに会い、元気をもらいいざ佐和田へ。 メカトラがあったにもかかわらず、バイクパートを7時間13分程で終えました。

想定していた15時のランスタートから遅れること21分の15時21分にランスタート。8キロ地点で再び応援団の皆さんに元気をもらい田圃の真ん中を疾走。折り返しのコースなのでチームメイトや友人と声をかけたり、ハイタッチしながらの楽しいランになりました。最初の一周(21キロ)は2時間20分程度でした。2周目は脚が攣りそうになるとエアーサロンパスをASでかけてゆっくり走り、頭が朦朧とするとバナナやらおにぎりやらをやたらと食べました。そのおかげで、2周目は3時間くらいかかりましたが脚が攣ったりハンガーノックにならずに済みました。一つ不満なのは2周目ペースがガタ落ちの私に応援団のチエさんから、ぼうっと走ってんじゃねーよ!って檄を飛ばされなかったことです。残念。

こうしてトータル14:40:03で念願の佐渡国際トライアスロンAタイプを完走しました。

タイムリミットの21時30分に上がった花火の曲は前日の予想通り安室奈美恵のFinally。感動しました。涙が出るかと思いましたが、脱水で全身カラカラだったために出ませんでした。さらに頭や体に色々不具合が生じていたため、ゴール地点での集合写真に写らず宿へ帰ってしまいました。残念。

翌日は表彰式に参加。チームメイトの人見さんが、Aタイプ最高齢完走(75歳)で表彰されるのを祝福した後、長三郎鮨へ。一年半ぶりのラーメンを堪能しました。死ぬほど美味しかったです。

レースを終えてつくづく思うことはロングは完走とリタイアは本当に紙一重だということ。私もメカトラに見舞われましたが、幸運にも恵まれて何とか完走しました。もしASでメカニックに寄った時に先客がいたらもっと時間がかかったはずだし、暑かったり、もっと風が強かったりしたらパフォーマンスが上がらなかったと思います。ただ、それも含めてロングの醍醐味だと思いました。

最後に一言、佐渡国際トライアスロンAタイプは誰でも完走出来ます。何せ私でも出来たのですから。トライアスロンは仕事ではありません。でも単なる遊びでもない。ライフスタイルという表現がぴったりだと思います。人見さんのゴールに感動したこともあり、ライフスタイルスポーツとしてトライアスロンを死ぬまでつづけたい。改めましてそう思いました!

 

片岡 直人

 

 

「徹底した実行力が実を結びましたね。」