Club GERONIMO Challenge 2018 佐渡組 参戦記(Aタイプ小林選手)

佐渡の参戦記

7月に皆生が終わったとき、「1ヶ月ちょっとでまたこれやるの!?」と正直思いました。疲労が抜けない!という心配ではなくて、バイクが辛すぎて。

でも佐渡島は大好きだし、夏休みには普通の社会人に比べて練習時間が取りやすいし、出たくても出られなかった人がやっぱりいるし、と思ってコツコツ行こうと決意。

バイク。可能な限り渋谷のインドアバイクトレーニングに出るように心がけてはいましたが、この夏の土日は部活に時間を取られることが多かったのでチームの練習会にはなかなか参加できず、仕方なく平日の時間のあるときに一人で物見山往復ライドをやっていました。着いてから登りを2往復すると自宅から往復130㎞になるので、なかなかいい距離です。ただ、一人だとどうしても自分に甘くなってしまってスピードは持続しません。なので、「暑い時間帯に乗って暑さ対策作戦」にしました。とにかく苦手な種目なので、遅くてもいいから乗る時間と機会を増やすことに気持ちを切り替えよう、と。

ラン。仕事のあと用事がないときは毎日走って帰りました。遅くてもいいからちょこちょこ走って距離を稼ぎました。バイクと同じく「暑い時間帯に走って暑さ対策作戦」で、部活が昼で終わった日にはあえて暑い時間に走って帰ったりしてました。あとは、冬からずっとやっている路線ランで月に一度は50㎞くらい走る日があったりしたのも体力的にはよかったかなと思います。

佐渡Aは今までに3回完走しているのですが、2011年にランの関門に引っかかってしまった記憶は今でも消えることはなく、現地入りしても消えてしまいたい気持ちでいっぱいで小さくなって過ごしました。ここまできたら楽しむしかないよ!とはとても思えず…とにかく呼吸が浅い浅い。「どうしよう前日から心拍こんな上がりっぱなしでドキドキしてたら明日までに死んじゃう。絶対100超えてる」と思ってガーミン見たら52しかなくて、あれ、寝てる??みたいな挙動不審な土曜日でした。

レーススタート。

スイム。2周目の1つ目のブイを回ったところで左目をかかとで蹴られ、衝撃で一瞬息が止まりました。左のゴーグルが顔に食い込み、直そうとしたらズレて水がガンガン入ってきて、しばらく左目つぶって泳いでたのですが、さすがの視野の狭さに立ち泳ぎでゴーグルを着け直しました。1時間半くらいで上がってこれるかなー?と思っていたら28分。まずまず。

バイク。なぜか去年よりペースよく漕げました。暑すぎず、寒すぎず、空は青、海も青、山は緑。なんてレース日和なんだ!と思いながら走れました。周りから比べると決して速くはないのですが、去年のペースから計算した目標タイムよりもちょっとずつ速くエイドを通過できました。だって、去年小木の坂に着いたのは14時半過ぎで、もうボスたち応援団は撤収してまさに車を出そうとしていたとき。

それが今年は14時過ぎに会えた!!!!嬉しくて笑うことができました。魚道場の道路に出た途端にものすごい横風。向かい風じゃなくて横風。飛ばされそうになりながら町中へ。なんとかフィニッシュ。去年は8時間18分、今年は8時間0分。わーい!

ラン。鳥目のわたしはとにかく明るいうちに距離を稼がねばなりません。機嫌よくランスタートできたので、1周目はそのまま楽しく走れました。

よちよち走りながらも止まらず進めたので「これ、9時フィニッシュどころか8時半頃帰ってこれちゃうんじゃない?」と欲も出てきました。

しかし。ここから夜の暗闇が訪れます。去年は暗くなった2周目でほぼ歩き通したので、今年は暗いとこは歩いて明るいとこは走ろう、と思っていました。が。一度歩いちゃうと、もうだめですね。歩いたり走ったりって難しい。暗いところを目を凝らしながら必死で進んでいるのもあって、一気に疲労がきました。「ちえさんにちゃんと競歩の歩き方習っとけばよかった…」となんとか早歩き。力づくで進んでる感じでした。25㎞以降はまさしく苦行でした… 商店街の灯りが見えて視界が開け、元気が復活。たくさんの人が花道を作ってハイタッチで迎えてくれました。「おかえり!」「ナイスラン!」あぁ、帰ってこれたんだなぁ。

角を曲がって競技場に入る直前に後ろから「ブラッキー!?」振り返るとこじまさん!朝6時にスタートして200㎞以上を走ってきたのに最後の最後にあと数百メートルのとこでまた出会うなんて!!これは一緒にフィニッシュしなくてはなりません。2人で手を繋いで無事にフィニッシュ。2人でバンザイ!!去年が21時4分、今年は21時6分。あらら。

終わってみたらバイクまでの貯金をランの苦行で吐き出してました。でもホッとしました。緊張感が報われた瞬間でした。 トライアスロンは個人スポーツではありますが、やはりレース中すれ違う仲間と目線を合わせたり、声を掛け合ったり、手をパチンと合わせて元気をもらったり、は気分が上がります。1人じゃないんだなーって思えます。何より、自分を信じて待っててくれる人がいる、という気持ちは何にも勝る勇気を与えてくれる宝物です。今年もたくさんの宝物を見つけることができました。

チームのみなさん、ありがとうございました。そして朝早くから夜遅くまで精一杯応援してくれたボランティアのみなさん、島のみなさんのおかげで今年もいい夏を過ごすことができました。次に参戦するときはもうちょっと前日から笑えるように、また頑張ります。

 

小林 章子

 

 

「がんばりました🌸」